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【2020年】骨粗鬆症

骨粗しょう症とは?
骨がもろくなることで骨折しやすくなる病気
"私達の体は毎日古くなった骨を壊し、壊した部分を新しく作った骨で修復しています。
これにより健康で丈夫な骨を維持することができるのです。
これを骨の新陳代謝、または骨代謝と言います。"
"古くなった骨が壊されることを骨吸収といいます。
そしてこれを行っているのが破骨細胞です。
逆に骨が新しく作られることを骨形成といい、これを行っているのが骨芽細胞になります。"
"骨吸収と骨形成のバランスが崩れる、つまり骨吸収が骨形成を上回ってしまうと、壊した骨の分を補いきれなくなります。
この状態が続くと骨量が減少してしまい、スカスカのもろい骨になってしまうのです。"
"骨粗鬆症は高齢者、そして女性に多く見られます。
高齢者は個人差はありますが、一般的に食事量が低下する上、腸管からのビタミンやカルシウムなどの吸収が低下する傾向にあります。"
"運動は骨に適度な不可がかかり、骨芽細胞を活性化させる物質の分泌を促すのですが、高齢者は運動量が低下するため、骨粗鬆症になりやすいと言えます。
運動量の低下は筋力の低下にも繋がるため転倒による骨折のリスクも上がります。"
★女性については閉経後に卵巣の機能が低下すると、女性ホルモンであるエストロゲンが減少するためです。
★エストロゲンが減少することで破骨細胞が活性化してしまい、骨粗鬆症になりやすくなる

骨の新陳代謝=骨リモデリング
骨は硬い臓器だが、一旦できたらそのままではない。
破骨細胞:古くなった骨を食べて掃除をする細胞
骨芽細胞:新しく骨を作る細胞

骨は体にとってCaの貯蔵庫の役割を担う。
低Ca血症になると破骨細胞が働いて骨吸収することで骨からCaを血液中に放出し、血液中のCa濃度を一定に保つ働きを担う。


★エストロゲンは破骨細胞機能を抑制している。
女性はエストロゲンが十分ある状態で初めてリモデリングバランスが取れている。
閉経してエストロゲンが減少すると破骨細胞がより活性化した結果、骨吸収が高くなり骨量が減っていく。
★すべての女性は50代前半に閉経を迎え、エストロゲンが急激に減少する。

骨折危険因子
★アルコール:利尿作用があり、Caも尿から排泄される。
★喫煙:消化管運動や胃酸分泌を抑制するため、Caの吸収が悪くなる。


BP製剤
★骨に沈着して、骨のCa分が血液に溶け出すのを防ぐ(骨吸収抑制作用)。
"一度骨に取り込まれたBP製剤は、数ヶ月から年単位で骨表面に沈着し、
骨吸収により掘り起こされて再び血液中に放出され、再利用される。"
沈着する期間は数か月から年単位とされており、一定期間の総投与量が同じであれば、理論上daily製剤でもmanthly製剤でも同等の効果が得られることになる。
・服用方法
水溶性の高い化合物。食事などの摂取により吸収率低下。
★CaやMgなど多価の陽イオンが存在すると、それらのイオンと結合し不溶化する為、ほとんど吸収されない。
水は、硬度によって硬水、中硬水、軟水に分類される。
硬度とは、水に溶け込んでいるミネラル分のうち、CaとMgの総量を表す指標。
一般に、硬度100mg/L以下が軟水、301mg/L異常が硬水、その間の101~300mg/Lは中硬水。
日本のほとんどの都市の水道水の硬度は10~100mg/L。
★欧米からの輸入品に多い硬水のミネラルウォーターでの内服は避ける必要がある。EX:ペリエ、エビアン
国内産のミネラルウォーターはほとんどが軟水のため問題ないと思われる。
"正しく服用されているか、食欲不振や胸焼けあど消化器症状のSEがでていないか服薬指導時に聞き取りを行い、
服用困難である場合は医師に情報を伝える必要がある。"
・飲み忘れた場合の対応
飲食後であれば、翌日に1錠を内服し、その後はあらかじめ定めた日に内服する。
・胃腸障害
粘膜刺激性を有しており、腹部不快感や消化性潰瘍などの胃腸障害あり。
発生頻度は投与間隔に関連する。日、週、月製剤の順位に少なくなる。
・急性期反応
インフルエンザ様症状。初回投与から24時間以内に発生し、数日~1週以内に消失する。
1回の投与量が増えるほど頻度が増加し、日より週および月製剤で多くみられる。
後遺症も残らない一過性の症状。
・ボナロン経口ゼリー
薬価は35mgの錠剤の約2倍。
低温では白色の原薬の結晶が析出しやすくなるため、冷蔵庫や冷凍庫などの低温な場所での保管は避ける。
ゼリーの中に白いかたまりが見られた場合は内服しないよう指導する。
内服しても問題はないが、品質上望ましくない。
"直射日光の当たるような高温化に置いておくと、ゼリー剤の融解や防腐剤顔料の低下、
内容物質量および含量の変化を招く可能性があるため、避ける必要がある。"

選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM:サーム)
ラロキシフェン(エビスタ)
・特徴
★骨のエストロゲン受容体に作用して骨吸収を抑えることで骨を丈夫にする
"女性は閉経を境にエストロゲン値が急激に減少する。
この急激な内分泌環境の変化のため、更年期障害を中心として骨量の減少、脂質代謝異常などの多種の疾患に罹患しやすくなる。"
SERMは、骨組織に対してはエストロゲン様作用を示し、乳房や子宮に対してはエストロゲン拮抗作用を示す。
・作用機序
"閉経後にエストロゲンが減少すると骨がもろくなってしまう。
だったら…”エストロゲンを補充してあげればいいのでは?”と思われるかと思います。"
しかし何事もほどほどが大切であるように、エストロゲンは少なくても多くてもダメなのです。
エストロゲンは乳腺や子宮に作用して成長を促す作用を持っていますが、過剰になると乳がんや子宮体がんを引き起こす可能性が出てきてしまうのです。
エビスタはエストロゲンの骨に対する作用に特化した薬です。
これにより破骨細胞による骨吸収が抑えられ、骨が丈夫になります。

バセドキシフェン(ビビアント)
ビビアントは非椎体骨折(背骨以外の骨折)の発生率をエビスタと比較して44%低下させたという報告があります。
★バセドキシフェンはラロキシフェンと比較して骨強度に対する影響がより強い薬剤。
バセドキシフェンはプラセボを比較して子宮や乳がん細胞への影響や脳卒中の発現率の増加は認められていない。
バセドキシフェンは、より骨への作用が増強され、安全性の担保された薬剤。胆汁排泄型薬剤。
腎機能への影響なく使用可能。併用注意薬はなく、食事の影響も受けにくく、1日1回20mgを経口投与する。
・バセドキシフェンの副作用
"ほてり、皮膚炎、かゆみ、嘔気などが報告されています。
他にもエストロゲンは血液の凝固を促す作用を持ちます。
そのため深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症等の静脈血栓塞栓症には十分注意する必要があります。"
下肢の疼痛やむくみ、呼吸困難、息切れ、胸痛、目のかすみなどの視力障害などが出現した場合は直ちに医療機関を受診しましょう。

活性型VD3製剤:エルデカルシトール(エディロール)
食事の影響を受けにくく、1日1回0.75μgを経口投与する。
・高Ca血症・高Ca尿症
小魚をたくさん食べることはいいことだが、塩分が多くなりすぎる点があるため、バランスが大切。
Caがとりたいといってたくさん牛乳を飲むとコレステロール摂取が多すぎてしまうこともある。

アルファロール・ワンアルファ
腸からのカルシウムの吸収を高めることで骨を丈夫にする
活性型VD3は腸管からのカルシウムの吸収や腎尿細管におけるカルシウムの再吸収を促す作用があります。
アルファロール・ワンアルファの副作用
特に注意が必要なのは高カルシウム血症
高カルシウム血症の初期症状として吐き気や口の渇き、イライラ感、体がだるくなる、などがあります。

キナコ
イソフラボンを含む。骨にカルシウムを吸着させ、骨量を増やす働きが備わっている。

 

分類
骨粗鬆症は、原発性骨粗鬆症、続発性骨粗鬆症に大別される。
鑑別を要する病態に、骨粗鬆症類縁疾患が挙げられる。
続発性骨粗鬆症は、骨強度の低下を来す特定の原因が認められる場合。
骨粗鬆症類縁疾患は、骨強度の低下を来すものの骨粗鬆症とは病態が大きく異なる疾患のことであり、骨軟化症、多発性骨髄腫、悪性腫瘍の骨転移、骨パジェット病、線維性骨異形成症、強直性脊椎炎などが含まれる。

●続発性骨粗鬆症の原因

 

治療法
■食事指導
カルシウム(乳製品、大豆製品、緑黄色野菜など)、ビタミンD(青魚、きのこなど)、ビタミンK(納豆、青菜など)を多く含む食品が推奨される。
リンを多く含む加工食品や一部の清涼飲料水、食塩、カフェイン、アルコールの過剰摂取を控えるよう心がける。

■薬物療法
骨密度がYAM値80%未満であれば、薬物治療を推奨している。

骨表面に吸着して破骨細胞の活性を低下させ、強力な骨吸収抑制によって骨密度の改善や骨折予防のエビデンスが豊富なビスホスホネート製剤は、骨粗鬆症の標準的治療薬である。
ただし、長期間にわたる使用は、頻度は低いものの大腿骨非定型骨折や顎骨壊死との関連が示唆されており、漫然と投与するのではなく、治療有効性を評価しながら、休薬やより高齢からの使用を考慮する方が望ましいのではないかとする意見もある。
ビスホスホネート製剤は消化管からの吸収率が低いため、朝起きてすぐに服用し、その後30分ほど上体を起こしたままに保って水以外の飲食を控える必要がある。
服薬コンプライアンスの改善を目指し、1日1回製剤から週1回製剤、4週1回製剤と投与間隔を空けた製剤や、静注製剤や経口ゼリー製剤など、多様な剤型の薬剤が開発されている。

ビタミンD3製剤は、腸管からのカルシウム吸収を促進する。服用が簡便で中等度の骨折抑制効果を有し、長期の安全性も示されていることから、閉経前患者や男性患者、軽度の骨粗鬆症患者への導入薬剤として広く使用されている。

SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)は、骨内のカルシウムが血液中に溶け出すことを防ぐ。
女性ホルモンのエストロゲンと似た作用のため、更年期症状を悪化させる可能性を考慮し、閉経後女性にのみ使用する。
比較的軽度の骨粗鬆症患者への導入薬剤として使用されることが多い。


ボノテオ・リカルボン
骨からカルシウムを引き出す破骨細胞の働きを抑え骨を丈夫にする

 

 

ビスホスホネート製剤は粘膜を刺激する作用を持ちます。
ボノテオ・リカルボンの副作用
"胃・腹部不快感、腹痛、血中カルシウム減少、胃炎などが報告されています。
ボノテオ・リカルボンは粘膜刺激性があるため、胃腸障害の副作用が多い"
"注意が必要なのは顎骨壊死です。
これは顎の骨や組織が死滅し、骨が腐ると口の中の常在菌による感染が起こり、顎の痛み、歯のゆるみ、歯茎の腫れなどの症状が現れる病気です。"
長期間に渡るビスホスホネート製剤の服用、ステロイドの服用、がん化学療法、抜歯などの外科的処置、口腔内の不衛生などがリスク因子として挙げられます。
"抜歯については服用開始前に処置をしておくのが望ましいですね。
開始後であれば場合により休薬も考慮します。
歯科受診時には必ずビスホスホネート製剤を服用していることを伝えるようにして下さい。"
ボノテオ・リカルボンの服薬上の注意
"・起床時に十分量(約180mL)の水(又はぬるま湯)とともに服用。
・服用時は噛まない、口の中に溜めず速やかに飲み込むこと。
・服用後少なくとも30分は横にならず、飲食(水を除く)並びに他の薬剤の経口摂取も避ける。"
"水以外の飲料、食物により吸収が妨げられる可能性があります。
特に牛乳や乳製品のようなカルシウムを多く含む飲食物、
カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウム等を含んだ製剤、ミネラル入りビタミン剤、制酸剤等などには注意が必要です。"
"禁忌の項でも書きましたが、粘膜を刺激する作用があるため、
口腔咽頭が刺激され潰瘍が生じる可能性もあるため、口の中に入れたら速やかに服用するようにして下さい。
多目の水で服用するのも胃内に速やかに到達させるためです。"

ボナロン・フォサマック
"妊婦又は妊娠している可能性のある婦人は禁忌ではありません。
ラットでは胎児への移行が少なかったとの報告があります。
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合は処方されるケースもがあるでしょう。
ちなみにボノテオ、リカルボン、ベネット、アクトネルは禁忌です。"
授乳についてはラットにおいて乳汁中への移行が報告されているため、避けるようにしましょう。


アクトネル・ベネット

①起床して最初の飲食前に服用する
 →食後に服用すると、薬の吸収が大きく低下し、治療効果に影響します。
②多めの水(約180mL)で服用する
 →喉や食道に薬がひっかかると、その場所で炎症や潰瘍を起こす恐れがあります。
③服用した後30分は水以外の飲食を控える
 →薬を服用して30分以内に飲食すると、薬の吸収が大きく低下し、治療効果に影響します。
④服用した後30分は横たわらない
 →横になると薬の成分が逆流し、食道が薬に曝されることで炎症や潰瘍を起こす恐れがあります。

『ビビアント』と『エビスタ』、同じ骨粗鬆症の薬の違いは?~SERMの効果・副作用と推奨度の比較
回答:『エビスタ』の有効性と安全性を、更に高めた『ビビアント』
閉経後は女性ホルモンである「エストロゲン」が減り、骨の強度が弱まってしまうことがあります。
『ビビアント』や『エビスタ』は、この「エストロゲン」の作用を調節することで、骨の強度を高め、骨折を防ぐ効果があります。
純に「エストロゲン」を増やす(ホルモン補充療法)と血栓ができやすくなったり、乳癌のリスクが高まったりと、様々な問題が生じます。
そのため「エストロゲン」で骨粗鬆症を治療するためには、骨では「エストロゲン」を増やす一方、乳房・子宮など他の場所では「エストロゲン」を増やさない、といった複雑な作用をさせる必要があります。

一般的に、「ステロイド」の長期使用による骨粗鬆症のリスクが高まるのは、「プレドニゾロン」換算量で1日7.5mgを6ヶ月以上続けた場合とされています